日記 九十一の巻
8月 第4週火曜 朝起きると、自分の耳の下が腫れあがっていた…留守番は寂しいと言う母を連れ、タクシーで耳鼻科に向かう
★2年前も同じ症状で「H耳鼻科」にかかったことがあった。院長先生の話だと、その時は左側だったと言う。「細菌」「唾液」という言葉を使って分かりやすく説明していただき、抗生物質ともう一種類、1週間分の「処方箋」を出していただく。
★最近、朝、7時から8時半ごろ母は、爆睡タイムである。昨日は、母自身の通院でこの時間寝られなかったはず。だが、今日も、何も言わずに、寝ぼけた目をこすり、出かける準備をしてくれた。
★母と自分が、何かあったときには必ず頼る「耳鼻科」は、行けば、必ず診てくれるし、待ち時間もそれほど長くない。何よりも、親切で、話を聞いてくれ、薬がよく効く。
★「今日はすいてるねぇ」ときた年配の「三本線ジャージ親父」が受付の女性に話しかけている。夏休み中ということなのか、診察室は、小さな子供の姿が目立つ(大きな声では言えないが、今日は、ちょっとぽちゃっとした子供が多いように思える)。
★思いもよらない「病気」の訪問をノックもなしにうける…これが歳をとる、ということなんかなぁ。
8月 第4週水曜 コンビニに行く途中、突然、声をかけられる…温かい人の心に触れる、夏の少し湿った空気が漂う朝
★缶コーヒーを買う自販機がおかしなことになっている。先日、「140円」の「ブラック」を買おうと、「150円」を入れたら、おつりが、「50円×2」=「100円」出てきた。今日は、「200円」投入したが、機械が全く反応しない。返却レバーを押しても「うんともすんとも」言わない。
★「ついてねえな」と心がつぶやく。あきらめて、いつもの道を通ってコンビニに向かう。
★「兄ちゃん、あの、いつも一緒に歩いている女の人、どうしたの」突然、話したことがない年配の女性の声に振りかえる。
「ああ、母のことですか」
「いつも、一緒に歩いてたでしょ。よくここ、通ってたでしょ」
「今日は、家で寝てるんですよ」
「元気なの。最近、あまり見ないから…。ちょっと心配になってね、いつも、あなたが通るたびに声をかけようと思ってたけど、なかなかできなくてね」
「ありがとうございます。母も91歳なもんで、この頃少し長い距離、歩きにくなったみたいで…」
「そう、前は、元気に歩いてたもんね。」
「数年前に転んでから、少しずつ体が利かなくなってきたみたいで…」
「そう、転んでね…いや、あまり二人で歩いてるの見なくなったんで、ちょっと気になってさ」
「帰ったら、母に伝えておきます。また、お会いできたら、ぜひ、声ををかけてください。喜ぶと思います」
★人は一人で生きているわけではない。人知れず、だれかが、だれかを気づかっている。人の温かい「気」が伝わってくる気持ちのいい朝となった。これも方角の効果か、当たるも八卦、当たらぬも八卦。そして、小さな「幸せ」や「何かええな、これ」という体験を大切にするも、しないも各々の感覚次第なのかもしれない。
〈今日の付録〉この会話での「おばあさんの気持ち」を出題された場合、解答は、意外と難しいのではないんかな。
・おばあさんの気持ちを推測するに、単純な「普段から気にかけていた」「いつも心配していた」という言葉を解答にしてしまうのは、ちょっとな、と思う。
・会話から、この年配の女性にとって「いつも気にかけてた」「いつも心配」するほど「大げさ」なことでも「深い」ものでも四六時中頭を支配しているような「重要」なことではないように思う。日常の生活の一コマとして、ちょっと「気になること」の一つである感じが強く伴う。
・この「いつも」は「=(道で)見かけるたびに」であろう。「以前は、目の前を二人(親子で)一緒に通っていた」→「今は一人兄ちゃんだけが歩いている」ことが気になっていたのである。
・で、たまたま、「兄ちゃん」が通った。で、「あ、あの兄ちゃんだ」ということになり、声をかけた、というのが本当のところだと思われる。作者も、この年配の女性が外にいる時間帯に、毎日、同じ方角のコンビニに出かけているわけではない。
・「あれ、以前は親子二人で歩いていたのに、最近は一人で歩いている。どうしたのかな」と「見かけるたび」に感じる「思い」を答えに織り込むのは、国語が苦手な中学生、高校生にけっこう「難かしい」のではないか。
・特に、国語の解答に「みんな」とか「いつも」とか「すべて」「ふつう」とかを使うときは、気を遣う必要がある。
★その「思い」を「相手」に「気」を「使い」ながら、「失礼」に「ならない」ように「日常会話」や「あいさつ後の会話」として昇華させる。「ご近所づき合い」もこう考えると、古い、「昭和」と一概には言えない、味わい深い、日本人の持つ「思いやり」が見え隠れする「文化」の一つではないか、と作者は思う次第だ。
8月 第4週水曜 今年一番の「surprised」! 歯医者から帰ってきた母が、突然、「Come Come Everybody」を正確に歌いだす~
★4日連続で、むりやり早起きさせられた母、ついに、「覚醒」かと思いきや…途中から「証城寺の狸囃子」に戻ってもうたけど…。
★「ただいま~」と家に中に入ってきた母は、帽子を取り、上着を脱ぎながら、いきなり歌い出した。
Come come everybody.
How do you do, and how are you?
Won’t you have some candy?
One and two and three, four, five….
★終戦は、母が小学5年生の時。平川唯一先生が、「カムカム英語」を担当したのは、1946年2月1日から1951年2月9日まで。何でも、当時、母の祖父が、この「ラジオ番組」を聴くように彼女(母親)に勧めた、ということだ。
★ま、さっきも書いたけど、途中から「証城寺の狸囃子」に融合してもうたけど、自分、母親がカラオケを習っていた頃も含め、NHKの「朝ドラ」やってた時期も、一度も、この曲を「口ずさんだ」のを聞いたことなかってん。
★いや~、人間の「脳」ってすごいな、ってホンマに思ったよ。ちょっと震えがきたもん。ひょっとして、これって、早起きは三文の徳?(The early bird catches the worm. )


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