中1生、ひよっとして…こんなん解きたいんやろ~

2025年6月9日

次の計算をしなさい。 3-(-5)÷5-(+2) × (22-5)

★第一回の定期テスト終わった人も、真っ最中の人もこれからの人も…「正負の数」でつまづいてまってはこの先「数学嫌い」になってまうで。

「数学」の苦手になりそうな、そんな自分たちに超朗報やで!

・内申『3』で、数学が苦手な人が「定期試験本番」逃げるような問題を解説しよ思うてんのが、「こんなん解きたいんやろ~」や。

内申『3』ってのは、実に、守備範囲が広いんや。数学の場合「平均点」にもよるけど、だいたい、「30点」ちょい下~「80点」手前までの感じやな。平均点「20点台」なんてのも中学校によっては「数学」ではままあるしな。

よく、保護者の方が学校に抗議の電話かけた話を耳にするんやが、定期試験をやり直した、ちゅう話は未だ自分は聞いたことがない。ま、平均点が、「25点」で、自分の息子が平均てにょり上の「27点」取ったとしても、親としてはびっくりするわな、そりゃあ。

ま、数学の先生のくせに、偏った点数が出る問題作成しかできなかったのもちょいとどうかと思うんやが(いわゆるきれいな正規分布にならないような問題作成ね)、その試験で実際に「80点」「90点」取っとる生徒もおる、ちゅう事実もびっくりよな。

その「数学の定期試験」の中で、平均点以下の自分たちが、割と「苦手」とする問題を少し解説して見よかな、と思うんや。講師室にいる「推し」の「塾」の「センセ」に質問持ってって、「キミ、また、この問題?この間も教えたじゃん?」って言われちゃうアレや、アレ。ほなら、行くで。

この問題、見た瞬間、「面倒やな、捨て問やろ」なんて思てる人、特に中3受験生は、ぜひ、入試問題を本屋で見てみてな。都立や県立、道立高校では、「正負の数」は、比較的解きやすい問題しかでえへんけど、私立の問題では実は「正負の数」自体の問題の出題は思ったより少ない、あっても、分数が交じったり、ルートの計算が交じったりして複雑なことも多い。そうそう、逃げてないで、実際に受験したい高校の過去問は、一度夏休みの終わりまでに見ておくことをお勧めするで。

★なんたって、この先、「正負の数」自体を勉強できるのは、塾の「講習会」や「夏休み」や「冬休み」のガッコの宿題ぐらいや。入試では、「すでに中1の『単元』で教えられたもの」として出題されるケースが圧倒的や。問題作成者側から見れば、中1生もちゃんと実力をつければ、「入試」の「正負の数」の問題はでけることになっとる、ちゅう理屈になる。

応用問題を解くときは、「解き方のアプローチ」「場合分け」などさまざまな考え方が必要になるけど、まずは、「基本の組み合わせ」ででける問題をしっかりとマスターしたいとこや。この問題は、基本の組み合わせをしっかりとマスターすれば、結構、短時間で解けるで。

★ポイント1:問題を解く前に!「小学校で習った九九はそのまま」、基本、暗算できるような割り算を除いて、「割り算を逆数にしてかけ算にしてから計算する」ることを意識しよう!

★「小学校で習った九九はそのまま」なんて何を言うとるねん、当たり前やと思た人、ちょっと待ってや。「符号」のついた数字が出現すると、キミら、けっこう間違うんやて。

 −3+5 の答えを「-8」「-2」「-15」としちゃう生徒、よくおんのよな。基本、「数字の間」に、掛け算、割り算の記号がない「+〇-×」みたいなのの計算は、「+と-、どちらが多い」やで。「−3+5」なら「プラスの方が2多い」から答えは「+2または2」や。順番を入れ替えて、「+5-3」または、「5-3」でも答えは「+2、または2」でこれ、実はいっしょなんよね。逆に、+3-5 なら、「マイナスの方が2多い」から、答えは「-2」。複雑な正負の数の計算は、全部が連続したかけ算、割り算でつながってない限りは、「裸の正の数、負の数(カッコのついていない正の数、負の数)」の計算に持ち込むのが一つの「形(将棋で言うと筋やね)」になるのでしっかりでけるようにしたい。今日の問題もそこを目指す形で解いていくで。

★一方、「数字の間に×、÷がある場合」、例えば、(-3)×(+5)または、-3 × (+5)の答えを「+2」、「+8」「-6」にしちゃう生徒も結構多い。「間に×、÷」があるときは、その左右の数字はセットになるのが基本この答え、符号を考えずに考えれば、小学校の九九を使って、絶対に「サン・ゴ15」やろ!「3」と「5」かけとんのやから!だから答えは「+15」か「-15」しかないんや。同符号」のかけ算は「+」、異符号のかけ算は「-」になる、と覚えてもええが、特に「−の数」×「-の数」が「+の数」になることは、慣れるまでは意識して計算した方がええで。(-3)×(+5)は、「異符号(-の数)×(+の数)」のかけ算なんで、答えは「-15」な。

これ、上の★で説明した計算「-3+5」とどこが違うか、わかる?-3+5の間のどこにも「×」や「÷」がないやろ。この形になれば、さっきも言うたように「どちらが多い」で答えを出せる。

★中学では、割り算は、分数にして掛け算に直して(逆数をかける形にして)から計算するのが普通。今後は、通分する場合も、最小公倍数を使うことができた方がええね。素因数分解、共通因数、最大公約数、最小公倍数の理解を中学のうちに深めておくことが、大学入試の「整数問題」を理解することにつながってくんや。

「正負の数」の複雑な計算では、ぱっと見「ヤバい」と思ったら、どこまでを一つのまとまり、「ブロック」にするかをまず考える。また、少数はあらかじめ分数にし、分数の割り算は、逆数をかける形に直してから計算することや。

・今回は、2ブロック目「-(-5)÷5」に割り算がある。これは、前が「+25」か「-25」という数字になりそうだから、それを「5」で割るのにわざわざ、逆数にして×1/5、にする必要はない、と当たりをつけられる、と予測でけると思うで。

ポイント2:(A)または(+A)はAを2回かける、つまりA×A、または(+A)×(+A)。(-A)は、(-A)を2回かける。(-A)×(-A)で、両方ともに答えは「+の数」になる。これは、ルートの平方根の考え方や二次方程式の解の公式を使うときにも重要になってくるのでしっかりと身につけよう。

★ 3=6、4=8って一度はほとんどの生徒、やらかすよな?まあ、2は2×2なんで、間違えて「デカい数字」と「右上のチャンこい数字」をかけても「4(答え)」になんねんけどな。慣れないうちは、2,3,4,5などの二乗の計算のとき、なんとなく「デカい数字」と「右上のチャンこい数字」をかけてまう生徒がおるんや。正解は「3=3×3(3を二回かける)=9」。

・計算が苦手な中3生も読んでくれとることを信じて、先走るけど、計算問題で「ルート√ 」の中身が中学校で「-」になることはまず、ないからな(平方根は±があるで…2回かけて「2」になるのは、+ルート2と−ルート2。2の平方根は±ルート2や ※ルートの記号の中に数字を入れるテクニックがないのでかんにんな)。二次方程式の解の公式でルートの中身が「-」になると「答えがない=解なし」になるんや。興味がある人は、「二次関数」の勉強が終わったら、学校のセンセ、または通っとる塾のセンセに質問してみてな。

二次方程式の解の公式で他にも問題になるのは、代入よな、特に「−b」と「ルートの中身、bー4ac」の部分で計算ミスが起こりやすい基本、代入の際はマイナスの数は(    )にくるんで、ええんやけど…。ちなみに、公式の分子、-bの部分は、逆の符号にして突っ込んじゃうのが速いし、bの部分は、2乗なんだから必ず「+の数」になるよな。自分は、これ、余白に計算書かせてたで。代入した式を書かせると、分子がぐちゃぐちゃになって生徒ようけ間違えるんや。他に、二乗、三乗の間違いは、確率の「サイコロの問題」でもおこりがちや。二個のサイコロをふるときの全部の出目、「6」、「6=12」はアカンで。あせるとやっちゃうんよね。出目は全部で「6×6=36」、36通りや。ちなみに3個のサイコロやったら、一個目の出る目は1~6の6通り、それに対してそれぞれ二個目も1~6の6通り、さらに3個目もそれぞれに対して1=6の6通り、だから全部で「6×6×6=216通り」。

塾の先生がよく使う、(  )の前はかけ算の基本的な考え方も覚えておこう。

★-(-5)は、結構、生徒が間違う問題だ。答えを暗記したり、シャープで「-」に縦棒を2本入れて「+」にするのもいいが、一つ覚えておいて欲しい考え方がある。これを「-1×(-5)」と考えて、「+5」とする。これが、いわゆる「(  )の前はかけ算」という考え方だ。

★小学生の問題で考えてみよう。今、150円のボールペンを5本買おうとしたが、思い直して3本棚に戻した。この場合、支払った金額を、
150×2      :150円×2本、とも書けるが、
150×5-150×2 :150円×5本ー150円×2本、または、
150×(5-3)   :150円×(5本-3本)

最後の式を見れば分かるが、(5-3)の前は、「150×」となる。カッコの前はかけ算になっている。文字式では「a(b-c)」は、それぞれ( )内の文字に「a」をかけ、「a×b-a×c」、とカッコを外していき、「ab-ac」となる。この場合、(   )の前の「×」は省略されている。

★お分かりいただけただろうか。カッコの前が「+」の場合、「1×・(+1)×」が省略されていると考え、カッコの前が「-」の場合「(-1)×」が省略されていると考えると、この考えで、正負の数の次の4つのタイプのカッコを外していくことができる

(+5)=(+1)×(+5)=+5 →カッコの前の「+」を「+1×」と考える                      ※同符号同士の数のかけ算なので答えは「+」

(-5)=(-1)×(-5)=+5  →カッコの前の「-」を「-1×」と考える                                ※同符号同士の数のかけ算なので答えは「+」

(-5)=(+1)×(-5)=-5  →カッコの前の「+」を「+1×」と考える                              ※異符号同士の数のかけ算なので答えは「-」

(+5)=(-1)×(+5)=-5  →カッコの前の「-」を「-1×」と考える                                ※異符号同士の数のかけ算なので答えは「-」

どうして「(-)×(-)=(+)」になるかは、今回、説明を省く。「そこでしょ、そこ」、という声が聞こえてきそうやが…トランプの黒赤を利用した説明、東西南北での座標を使った考え方、「逆の命令」などの言葉の表現を使う教え方、日に100円ずつ借金が増えていくときの1か月前、2か月前には、現金がいくらあったか、などの例で説明をしていく方法…どの方法でもええと思う。

★「数学者」を今目指しているわけでないなら、一度、ある程度、納得デキる説明を聞いて、後は実践演習で解けるようにした方がええ、自分はそう思うで。ある程度、できるようになったら見えてくることもぎょうさんあんねん。

★補足しとくで。上のカッコの前を「1×・+1×」「-1×」と考える計算方法や、「+(+5)」「-(-5)」は「+5」、「+(-5)」と「-(+5)」は「-5」と答えが同じになるという結果は、因数分解のとき、みんなが苦手な「-または、-1でくくって同じセットを作る」という問題への応用にも役立つ。

ab+a-b-1を因数分解せよ、ちゅう問題があったとする。このとき、前半部分「ab+a」を「a」でくくると、a(b+1)」となる。ここで、後半にも「b+1」(前半のカッコでくくった数を共通因数にしたいわけや)を作れれば、因数分解でける、ちゅう理屈になるわけやな。そこで、後半の「-b-1」を「-(あるいは-1)」でくくってみると、中身の符号が逆転し「-(b+1)」となる。結構、この「1」や「-1」でくくるの、デキん人、多いで答えは「(a-1)(b+1)」や。慣れれば、後半のカッコの中身を無理やり「(b+1)」にしてから前の符号を考えることもできるようになる。

・少し、面倒やろうけど、ポイントは+(-b-1)を-(+b+1)に変えるちゅうことや。カッコの外の符号と、カッコの中の符号入れ変わってるやろ。ただし、カッコの中の数字や文字が複数ある場合、それらの符号がそれぞれ違う場合は注意してな、ちゃんと、開きなおしてもとにもどるかどうか、確かめんのやで。

中学校の先生に、(+5)-(+6)=(+5)+(-6)=+5-6=-1、といったん和の形にそろえる途中式を書かせられた人もいるやろ、これ、数学では、意味のないことではないんよ。できて損はないし、理解できるならできた方がええからな。自分は中学の時は納得いかんかったけど…。ただ、計算問題をノートに書くとき、一行に書く数字や記号が長くなる。そうすると、写し間違いをしたり板書を消されたりすると、後から書いた内容がメッチャ分からんようになる生徒もおる…。

塾の教材もええ、オリジナルプリントもええけど、まずは、小学校までの計算と教科書の「正負の数」の例題を確実に解けるようにしたほうがええで。

★多くの生徒は、正負の数の複雑な問題を見た時に、ブロックの区切り方(どこまでを一つのかたまりととらえるか)が分からんと言うんや。

・自分、思うんやけど、ブロックの区切り方は、実は教科書の「例題」を参考にしたらええと思うで。教科書の「短い例題」をつなげて長くした問題をまず、見抜けるようになると色々見えてくるで。例えば「+」や「-」の後ろに「/」を入れることはまず、ないといってもいい。(  )の後ろは「/」が来ることが多い。ただし、すぐ後ろに「×」「÷」があると計算は途切れず続く。「A×B」「A÷B」ちゅう風に前と後ろは連結しとるんや。後、注意したいのが、(  )の中の数字を先に計算する、ちゅうやつな。カッコの前に「−」がついとる時やカッコの後ろに「2乗」なんかがあるときは特に注意や。とにかく、今、時間のあるうちに、正負の数を仕上げると同時に、小学校で習った、四則計算や少数、分数の交じった計算を確実にできるようにしとくことや。「計算が速く正確にできる」は後々武器になるで

・塾で「百ます計算」をさせられとるキミ、今が伸びるチャンスやで。中3になってから、そんなんやったら、アセるやん。塾のセンセがキミの弱点を何とかせな、と思ってくれとるんやと思ってきばってや~。

・さっきも言うたけど、小学校で習った「九九は変わらん」のよ。どんなに難しい問題に挑戦しても、途中の計算を間違えたら、そこで終わりやからな。当然、答えも間違っとるし…。インド式計算もええけど、本番だけ使おうと思うて「忘れてもうたら」アカンよな。どんなやり方でもええ、それを「速く正確」になるまで鍛えればええ、と自分は思うで。

・実は自分、高校3年の「微積」の「定期テスト」な、一問も最後まで解かずに「7割程度」の点数を取っててん。問題は10問、平均、章末問題以上のレベルはあったと思う。当時、「4STEP」を使っていたが、定期テスト前は自習時間以外触ったことがなかった。それだけ、数学が苦手だった自分だが、なぜか、高3の時の数学のU先生が異常に分かりやすく、「数ⅢC」に必要な「数ⅠA」の内容まで教えてくれたおかげで楽しく学ぶことができたんよ。「微積」の問題は、最後の詰めの計算で間違うとそれまでの努力が水の泡になる。見直す時間もないんで、いつも部分点を狙っていったんよね。自分の高校、文系理系に関わらず、「数ⅢC」まで取らなあかんかったんや。でも、「教える」となると数学に限らずどの教科でも途中までというわけにはイカンよってに。心を入れかえて、大学時代から教えるための「予習」に時間をかけたっちゅう訳や。

①計算式はなるべく5行以内でノートに。②「/」を入れた場合は、「/」と「/」の間に答えを書いていく。③余白には、計算やポイントを書いとくのがええと思うよ。④「/」と「/」の間の計算結果が「正の数」の場合には必ず「+〇」と「符号」をつけるようにしよう。

★ほな、そろそろお題に上がっとるこの問題を解いて終わりにしよか。

★この問題を解くときは、①ブロックをとらえ ②ブロックごとの計算をし ③はだかの正負の数の計算に持っていく。
【ノート】
 3/−(-5)÷5/-(+2) × (22-5)  ▶−(-5)は-1×(-5)×(-5)→-25、▶(22-5)の部分は、+4-5→-1
=9/ -25÷5 / -2×(-1)    ▶-25÷(+5)→-5  ▶(-2)×(-1)→2 
=9-5+2              ▶+が全部で11、−が5      ※この計算結果の「+」は必ず書く                                     
=6または+6 (解答欄には答えは1つだけ書く)              「9-5 2」では意味が分からん!                                                        

【解説】

①一つ目のブロック
 3は、説明したとおり、「3を2回かける」だ。3×3なので9
②二つ目のブロック
 -(-5)÷5…前半 -(-5) をカッコの前は「-1×」と考える。残りは、(-5)×(-5)なので、
 -1×(-5)×(-5)→-25これを「5で割る」ので、(-25)÷(+5)=-5
③三つ目のブロック
 -(+2) × (22-5)は、前半の-(+2)が→-2カッコの中身は(2×2-5)…これは4-5なので→-1
 前半×後半→(-2)×(-1)→+2
それぞれの答えを合わせる…①が「9」、②が「-5」、③が「+2」
 9-5+2…「+が全部で11」、「-が5」なので、「+が6多い」→答えは「6」または「+6」

※計算の先頭の数字は「+」の符号は省略されることがある。計算先頭の「-の裸の数」はカッコをつけなくてもOK。ブロックごとに計算する場合、(特に/と/の間の計算結果が)正の数になる場合は、「+の符号」を付ける。       

 地方では、まだ、公立高校の方が人気や。TOP校が県立や道立の地方もある。「推薦入学」を目指す人もおるやろが、基本、地方の「トップクラスの公立の進学校」に行くには、中2の終わりまでに、「4」より「5」の方が多い通知表を手にしとくことが、一つの理想形。場合によっては「郡部」の生徒であれば、「オール5」に近い成績でなくては受験が厳しい場合もある。

 中3になってから、ではなかなか内申や点数は伸びない。中学数学は「正負の数」から始まるんや。この掲載の内容がガッコの先生や塾のセンセに、一回、習ったことだったとしてもや、中1生、中2生、中3生ともに定着してないんちゃうんかな、と思うで。で、今回、自分の言葉で伝えたい、と思い載せたんや。しっかりマスターしてみてな。

 ここまで、読んでいただき、おおおきに。今回は、中1生向きにちょっと数学について触れてみました。もう、「いとおねむおねむ」でおま。

 ほな、さいなら~。