日記 九十の巻

8月 第2週水曜 先生、道路に沿って植えてある木な、台風で倒れると危ないやん、あれってどんな意味あんの?

◆A士、確かにな、台風や地震で「木が倒れて」まうと、道路がふさがれるし、停電も起こるよな。

◇せやろ。森林が大切ちゅうのはこの間、習ったから、何となく分けるけど、道路の横の木は、正直、いらんのんちゃう?虫もおるし。

◆うーん、もし、A士が、「低い」土地に住んでて、家の上、がけみたいんとこに道路が通っていたらどう?ガードレールだけで安心して生活できる?

◇それって、質問、ズルくね。確かに、事故って車が上から転がってきたらヤバいし…なるほど、センセが言ったのは、極端な例だけど、現実的に坂の多い場所では、木がクッションになって、上から転がってくるものを防いで、人や建物を守ってるって場合もあるってこと?

◆日本は7割が山やからな。ま、それ以外にも、ここからは歩道ですよ、っていう「目印」になっとる場合もあるし。そういえば、さっき塾くる時に、A士、マクドナルド側の歩道歩いてたやん。

◇えっ、センセ、見てたん?ストーカーやん、ストーカー。キモっ。

◆だれがストーカーじゃ。見かけただけじゃ。A士、なんで、塾側の歩道じゃなくて、反対側の歩道歩いてたん?

◇そりゃあ、暑いもんよ、日陰がある方を歩くに決まってんじゃんよ。

◆そうやろ。多少でも風がそよいで木が揺れる、見た目ではあったとしても、少しでも涼しそうな日陰があれば人間はそっちの方に魅かれるよな。

◇なーる、見た目や過ごしやすさみたいんなのもあるってことね。

◆他にも、車のタイヤとアスファルトによって「粉塵」が出るんよね。木がないとそのまま飛び散ってひろがってまうよな。ま、あまり関係ない、と思うかもやけど「街路樹」は「騒音」に対するクッションにもなっているんや。大都市では、これも「街路樹」のけっこう大切な役割なんよ。

◇「環境保全」って、「光合成」をして「地球」をきれいにすることだけやないんやね。少し賢(かしこ)なった気分。

◆今、地下に「電線」を埋めてる地域もあるよな。あれも、「景観」だけではなく、一種の『停電』対策や「感電」対策にもなってると思うんよな。地震や地滑りで、ケーブルが切れる危険性はもちろんあるけれども、少なくとも、「倒木」による停電や切れた電線に触れて「感電」する危険は激減するはずや。

◇なあ、センセ、セコイこと聞いてええ?これって、『自由研究』に使えるかな?

◆やろうと思えば、何でも研究にはなるわな。去年の生徒、「エッセイ」みたいな「日記」書いとったで。あれも立派な『自由研究』や。なんでも、その年の「ベストエッセイ」を図書館から借りてきて、作家の文章を勉強しながら書いたらしいで。「8月×日、〇●先生風」みたいなん書いてたわ。よくできてたで。

『街路樹』の役割、街路樹に使われるとる木の種類、その特性や弱点、例えば、並べて植えて「防風林」にしとるような地域もあるし、イチョウなんか植えた日にゃあ、掃除が大変よな。「電線」だってなぜ、道路に沿って立っているのか、その役割があるからやろ。電線を地下に埋めたときの利点とか問題点などを調べたうえで、自分の意見をちゃんと書ければ、立派な「自由研究」になるやろ。実際にあった、「街路樹」に関する事件や日本と他の国の実情を比べても新しい発見があるかもな。

◇じゃ、センセ、1週間ぐらいしたら、いっぺん、持ってくるんで、見てな。

◆HAaaaa⤴! A士、オマエ、何言っとん?

◇ええじゃん、ええじゃん、乗り掛かった舟でしょ。最後までつき合ってよ。It’s practically like you put me on this boat, so help me out until the end.
◆(何言うてんねん、コイツ、聞いてきたんは自分やろ)(No, noー you’re the one who asked the question.)

D先生登場:おはようっす。センセ、相変わらず人気ですね~。

◆おはよう、今日もおしゃれやね。(相変わらず派手な格好やな。なに、イヤミかましとんねん色男が。トリマ、とりこみ中なんや!早くあっち行けや)おい、待て、A士、待てって!