日記 十六の巻
11月第5週 土曜日 ある夏の暑い日に、英語が得意な中2の生徒と「国語」の記述について話す
★アパート内で、母と親しくしているTさんが来る。いつも何かを持ってきてくれる。今日は枝豆だ(ハズレか~)。いつものように、コーヒーを出す。
聞くところによると、週に一度、ディサービスで食事に言っているZ苑で、「変人」と言われたと言う。まあ、園内で、仲良くしたい婆さんに、お菓子をそっと渡そうとして、職員に叱られたり、送迎バスに乗った際、気に入った婆さんと一緒に降りようとして、運転手とケンカになったり、という「武勇伝」も聞いていたので、一応、「ほう」とだけ言っておく。しかし、面と向かって言う言葉としては「きつい」なあ。
その後、20分間、話題が、天気の話に変わるまで、無言で3人の「えだまめ」タイムが過ぎていった。Tさん、できるなら「天気」の話から、入ってくれんかな?
★「英作文」だけではなく、「国語」の記述も「何を書いていいか、分からない」という生徒、これまた多いのが現状だ。国語の場合の方が「字数」や「本文中の言葉を使って」という「制限」や「条件」を嫌がる生徒が後を絶たない。
中には、「英語」がかなりできるのに、「国語」の記述が苦手と言う生徒もいる。
数年前の暑い夏の午後、ある中2の生徒が答案用紙を見せて、「これってなんでダメなんですかね、合ってますよね」と言う。目には怒りの炎がメラメラと揺れている。やばい、こいつ、本気でイッてもうてるやん。オレ、ウソ教えた???
「とりあえず、見せてみ」
彼女の指さした、解答欄を見てみると、「悲しかった」と書いてある。は~ん、これは、明らかに点数にならんな、と心の中でつぶやく。
「あのな、〇●、キミ、友達がもし、泣いとったら、なんて声かけるん?」
「え…」「どうしたの」とか。
「せやな」「なんで泣いとるのか知りたいやろ」
「うん」
「じゃあ、悲しかった、だけじゃ、答え、ダメなんじゃない?ちゃんと問題文の中でどんな状況で登場人物が悲しかったのか、説明してあげな、アカンのんちゃう」
「えっ」
「気持ちを答えに書くのは当たり前やけど、自分、ちゃんと文章読んでますねん、そして、この問いに答えてますよねって採点するセンセに伝えるためには、説明が必要やろ」
「そんなん…ダルぃ…」
「例えば、〇●のカレシが別のクラスの女子と話したり、親しそうにしてたらどう思う」
「悲しい、腹立つ、頭(アッタマ)にくるわ。泣きたくなる。ついでに裏切られた気持ちも」
「そうやろ。つまり、『×●(カレシ)が別のクラスの女子と話したり、親しそうにしていたのを見た、あるいは、友達の▲▲から聞いたので悲しなった』わけやな」
「あっ、それ、ひょっとして、すでに国語的な答えになっとる?」
「だいぶ近づいとるよ。ただし、もう少し直しが必要やけど。英語が得意な〇●なら、もうイケるやろ」
「どこをどう?」
「設問で『どんな気持ち』ですか、と言われたら、最期を『感情を表す名詞』か『~という気持ち』と言う風にまとめるのが普通よね」
「じゃあ、『自分のカレシが違うクラスの女子と、親しそうに話しているのを知り、裏切られたという気持ち』でどう」
「うん、ええと思うよ。『裏切られたという気持ち』としたところも評価できる。『裏切られた』という言葉の中に『怒り』や『悲しみ』も感じとれる。ところで、さっきも言うたけど〇●、英語得意やったよな」
「うん」
「実はな、中学で習う英語の『接続詞』使うと『国語』の記述で色んな答えが作れるんよ。文章はないけど、答えだけ、勝手に作ってみん?」
「へっ????」
「例えば、『while』を使って「怒り」の理由を説明する…カレシとの話の最中に、とつぜん元カノが割り込んで来たから」
「じゃあ、『because』で、悩んでいるとき親友に冷たくされたから、とか『if』を使って、カレシが転校したら、どうしていいか分からない、と言う気持ち、とか…いや~、ウチ、ノッてきたわ、これ」
「まあ、待て待て。『when』には、場面や状況を表す使い方もある。便利やから覚えといて」
「分かった。この間の、ほら、メロスの話やろ。「心の変化」の前後の出来事を分析せえ、って話よね」
…ヤバい、コイツ、話聞いてへん…アカンわ…
「今日、〇●、妙に冴えとるな」
「相変わらずやね、ティーチャー。それを、答えにまとめるときに『when』や『if』、『because』を説明部分として考えてみる、それは、英語が得意な自分向きやん、って言いたいんよね」
「まあ、その通りや。」
「んで、『理由』を聞かれてるときは最後は『から・ので』やったな。『気持ち』を聞いとるときは『~という気持ち』な」
「ん」
「ほな、センセ。「国語」の期末テスト、今からやり直すんで、ちゃんと目の前で見ててな」
「えっ、何言(ゆ)うとるん?今日は数学の日やろ、〇●」
「ええから、ええから。今ならできそうなんやんか、自分、生徒の実力伸ばすのがセンセの仕事やろ」
「…」
自分、数学の成績が心配だ…。


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