「英単語集」「英熟語集」にさようなら!第3回
校の検定教科書に出てくる単語・フレーズの理解を深めれば、「受験」に必要な「英語」はここまで学べる!
第三回 「an/an/the など+副詞+形容詞+名詞」を問題演習で確認しよう②!
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・問題演習1:力試し
・問題演習の解説
前回は、「名詞 人ものコト」を前から説明する形を見てきたね。勉強したら、「力試し」。さっそく演習してみよう。
続いての5問。
演習問題1
(1)二匹のとてもかわいい犬
(2)14歳の男の子
(3)こちらの年配のおじ様
(4)泣いている赤ん坊
(5)書き言葉
「演習問題2」の解説
★まずは、(1)「2匹のとてもかわいい犬」。まずは、基本中の基本、「一匹の犬」からいこう。「a dog」だね。じゃあ、「一匹のかわいい犬」は? そう、「a pretty dog」だね。「形容詞のpretty」の部分は「lovely」でもいいよ。
じゃあ、「二匹のとてもかわいい犬」は?「a」の部分を「two」にして、「dog」を「dogs」という複数形にすればいいね。英語は数にうるさいから注意だ。でも「two pretty dog」じゃまだダメだね。「two very pretty dogs」が正解。この「very」は前回も説明したけど「副詞」だね。「副詞」は「形容詞」や「動詞句」を説明(修飾)するよ。「pretty」は形容詞。「一つのかわいい」「二つのかわいい」なんて言わないよね。ここ(形容詞)に「s」をつけちゃだめだよ。
もう一つ、「形容詞」の位置には「現在分詞 ~ing ~している」や「過去分詞 ~してしまった・~された・られた」が来る場合もあるよ。例えば「走っている犬」なら「a running dog」、寝ている猫なら「a sleeping cat」、割れちゃっている窓なら「the broken window」だ。「現在分詞」「過去分詞」は「形容詞」として扱っている先生もいるので、分からなかったら質問して説明してもらおう。
もう一つ、大切なことがあるよ。「私のかわいい犬」という場合は、「a」と「my」は並べて使えない、「a my pretty dog」や「my a pretty dog」とは言わないよ。これも中1の内容なので、覚えてしまおうね。「the とmyやyour」、「この僕の本」「あの僕の本」なんていう場合に「this my book」とか「my that book」もアウトなので覚えておいて欲しい。「that book of mine」や「a book of mine」という形ならOKだ。「私の友達の一人」は、「a friend of mine」。この形はまた、出てくると思うので別の機会に触れることにするね。
★(2)「14歳の男の子」…答えは、「a 14-year-old boy」。文中で使う時は、「少年」は数えられるから必ず「a」を忘れないで「a 14-year-old boy」にしてね。今回は「文中」で使う形の勉強なので、「a」をつける。ポイントは、「(冠詞)a+(形容詞)14 year-old+(名詞) boy」という順番になっているということが1つ。
「えっ、なんかムズい?」。じゃあ、基本から行くね。「少年一人」なら「a boy」だね。ここに説明を加えるね。「カッコいい少年一人」なら…「a nice-looking boy」。この「かっこいい nice-lookig」の代わりに「14歳の」という「14-year-old」を入れると…「a 14-year-old boy」の完成。「a 〈nice-looking〉 boy」→「a 〈14-year-old〉 boy」と「boy 少年」の前の説明を取り変えるだけ。
さっきも言ったけど、「14-year-old」は、「形容詞」の位置(この場合は前から物・人・ことを説明(限定)する位置)だ。「14-year-old」は「形容詞」で「14歳の」って意味だ。形容詞で使うときは、「years」じゃなくて「year」になっているということが2つ目。こういう「‐ハイフン」でつないだ形容詞もこれからたくさん出てくるので、まず、一つ目としてこれを覚えておくといいよ。
★(3)「こちらの年配のおじ様(gentlemanを使って)」。中1の教科書で必ず習う基本文として「あの少年は誰ですか」というのがあるね。「Who is that boy?」だね。「this」や「that」には「この本・this book」とか「あのペン・that pen」みたいな使い方がある。人を紹介するときに、「This is my friend, Tom. こちらは僕の友達のTom だよ」っていうのも中1で出てくる定番のフレーズだね。「this」は「近くの人やもの」を指して「こちらの・この」という使い方もできる。「こちらのおじ様」は「this gentleman」だね。だとすれば、「こちらの年配のおじ様」は「this elderly gentleman」と言えるね。ちなみに複数形は、「these elderly gentlemen」だよ。
「あれあれ、先生、ーlyは、副詞じゃないんですか。これって、elderlyの後ろに形容詞がない形は違反ですよね」って人いるかもね。実は、「friendly 友好的な」と「elderly 年配の」は「ーly」で終わる「形容詞」。単語集にも載っている重要事項なので、できれば中学生のうちにしっかり覚えておいてね。
★(4)「泣いている赤ん坊」。この問題が「かわいい赤ん坊」なら、「a pretty baby」とか「a cute baby」だね。「pretty(形容詞)」の部分を「泣いている crying」に変えると答えになるよ。「a crying baby」。ちなみに「寝ている赤ん坊」だと「a sleeping baby」。※「a baby crying」「a baby sleeping」も可。中学校では、最初に習うときに「現在分詞(~ing)・過去分詞が一語で名詞を説明するときは前から」というルール通りに作ると「a crying baby」が正解になる。
ここで、「A baby is crying.」と「a crying baby」の違いを説明するね。
「A baby(一人の赤ちゃんが)is crying.(泣いています)…「泣いている」は、主語の説明、「is crying でまとめて述語部分」、現在進行形と考える人もいれば、is cryingを『is(現在の状態だという述語動詞)/ crying(形容詞、泣いている)』」と説明する人もいる。「a crying baby(泣いている赤ちゃん)…泣いているは「どんな」赤ちゃん」なのかを説明」…。この2つの違いは、何回話しても間違える生徒がいる。なので、ちょっと、違う角度から説明するね。
◆◆◆実は、国語でも同じ間違いをしちゃって「×」をもらう人がいるよ。例えば、
「昨日私は夏目漱石の本を読みました。」という文に対して、
問い:私は「どんな本」を読みましたか、
という問題を考えてみよう。
実はこの問題、意外に、小学生・中学生の間で正答率が低い。
問題が問うているのは、「どんな本ですか。」…したがって、この場合、答えも「~な本」「~の本」でなくてはならない。そう、答えは「夏目漱石の本」である。
「彼は車の運転がうまい」→「彼はどんな人ですか」→「車の運転がうまい人」というような答えを作るのが苦手な生徒が多いのだ。実は「夏目漱石の本」「車の運転がうまい人」は、日本語でも、「名詞中心」の「パーツ」として機能する。
「〈夏目漱石の本〉は興味深い。」「田舎より都会の方が〈車の運転がうまい人〉が多い気がする。」などが一例だ。
「昨日私は夏目漱石の本を読みました」ー英語の授業中、「S(私は)」「V(読んだ)」「O(夏目漱石の本を)」「M(昨日)」で完全文で『文』だ」。一方で「夏目漱石の本は『名詞のかたまり』だ」と聞いたかもしれないね。
「名詞のかたまり(名詞を前後から修飾するパターン)」は英語ではとても大切なパーツなんだ。理解すれば、日本語の文章を作る時も役に立つよ。この見た目、体言止めのような形「~な人・物・こと」に文を「変身」させる技術は国語でも大切だ。
(5)「書き言葉」。解答の一例は「written language」。「formal language」もある。中高生にとっては、英作文で使うときは「written laguage」の方が覚えやすいだろう。「write」と言う単語で気をつけたいのは、「writing」の時は「最後の"e"を落として”ing”をつける」が、過去分詞「written」は「ーtt-」と途中「t」がダブる形なので、注意が必要だ。「~に手紙を書く」は、「write a letter to だれだれ」の「a letter」の部分は省略され「write to だれだれ」が一般的になった。別に「write a letter to だれだれ」が間違いなわけではない。学校の先生によっては、熟語のテストでは、教えた通りの形でなければ「×」になる恐れもあるので注意しよう。まあ、「はがき」なども値上げされ、「e‐mail」も「メールする」と動詞の使い方も一般になったので、この先、何十年後には、「write to」が「手紙を書く」と言う意味としては辞書から消える運命なのかもしれないが…。
ここから先は、英語のことをちょっと知りたい人のコーナー。英語が苦手だけど、教えなければならなくなった講師の人にもおすすめのコーナーだよ。
さっきも少し、触れたけれども、実は「現在分詞」や「過去分詞」は、名詞を説明する場合、普通、中学校では、「一語」で名詞を説明する場合は「名詞」の直前に置く、説明が長く2語以上になると「名詞」の後ろに回る、と習うのが一般的だけど、そもそも英語は「語順重視」の言葉なので、前後で使うと意味が変わってくるという考えも強く残っている。「Look at the crying baby.」はその子供を見て指さして言っているのであれば、「泣いている赤ん坊を見て」で全然おかしくないよね。でも、「crying baby」には、「赤ちゃんでいうのはそもそもよく泣く、そういう性質なんだ」ということも表していると主張する人もいる。一語であっても、「a swimming boy」は自然ではなく「a boy swimming」が自然である、という主張もネット上では見られる。「名詞+一語の~ing・過去分詞」を見ても驚かないようにしよう。この場合は、「一時的に~している、~された人・もの・こと」と考えてみよう。この場合だと「一時的に今(目の前で)泳いでいる少年」というイメージだ。
「一語で名詞を後ろから説明」する形で中学生のうちに慣れておきたいものは過去分詞では「left(残されている)」、形容詞では「present(出席している)」だ。「もの・人・こと+left」で「残されれている、残された~」、「people present」で「出席者」という意味になる。
「My phone has 17% of battery left. 俺のスマホ、バッテリー残り17%だ。」まあ、他の表現もできるけど。よく出てくるのは、「卵が切れている」とか「冷蔵庫に~がない」ってときに出てくる「否定…人・もの・ことleft」の形だよ。高校の「英文法」のテキストに必ずと言っていいほど出てくる。「leave」は、動詞の使い方も大切。「出かける…leave Tokyo 東京を離れる」「leave Tokyo for New York 東京をはなれ、ニューヨークに向かう」「Leave me alone. 一人にして」など。しっかりと例文ごと覚えよう。
「You should count the number of people present. 出席者の数を数えるべきだ。」この「people presnt」の部分が「出席者」と言う意味になる。この講座では、「前から名詞を説明する」形を説明しているので、詳しい説明を避けるが、「名詞を後ろから説明する」形(前置詞のかたまり、不定詞、関係代名詞、関係副詞、同格など)もある。「people present」も関係代名詞などを使って説明することができる。このフレーズは、「高校入試」ではあまり見ないけど、「大学入試」ではよく見るフレーズなので、ぜひこのまま覚えて欲しい。もう一つ、「the number of people」は「人々の数」だが、「a number of people」は「たくさんの人々」と言う意味になるので、この「the」と「a」の感覚のちがいも、何度も使って身に着けて欲しい。
他に、分詞では「the flying fish」で「トビウオ」という意味を表す。「a sleeping car」の「sleeping」は動名詞で「寝るための」という意味で、「寝台車(寝るための車両)」。日本では、寝台列車といえば、定期運行は、東京発の夜行列車「サンライズ」だけになってしまったが、海外では、けっこう寝台列車は残っている。この単語が「英語の辞書」から消える日、あるいは「古語」になる日はもう少し先のようだ。また、「a used car」は「中古車」、これは英作文の教科書などに結構よく出てくるので要注意。
語順の点では、イギリス英語では、「近づいてくる電車」を「the approaching train」とはあまり表現しないようだ。まあ、常に列車は近づいてくると決まっているわけではないし、常に列車が近づいてくる、という性質を列車が持っているわけではない…。「the train approaching」と一語で後ろから修飾する表現の方がしっくりくるよう(今、あるいはその時一時的に近づいている列車、と言う感覚)だ。
さて、(5)の問題に関係するのだが、「書き言葉」に対する「話し言葉」はどのような表現があるか。受験生に知っておいて欲しいものを先ほどの解答に対応させて説明していこう。「話し言葉」は「spoken language」「informal language」だ。
少し、「書き言葉」「話し言葉」から離れるが、同じ勉強するなら、「あなたは、『敬語』を使用することに賛成か、反対か」のような英作文を一題書いておくといいね。(こんな質問の出し方もどうかと思うが、賛成、反対の立場を取らせることが多いのでどうしようもないわな)。
「PC(political correctness/ politically correct)」が英語の「敬語」にあたる。「単語」から、「礼儀正しい言葉づかい」「相手に失礼のないように話す」というような感覚を受け取ることができればよいかな、と思う。「honorific」がより日本の感覚に近い「敬語」になるかもしれない。
「年上に対する尊敬の念」「相手を尊敬しつつ相手との距離を保つ日本人の文化の一つ」「日本のような狭い国土で生きていくためには歴史的にも敬語が必要だった」「英語にも敬語があるように、…」「スラングを頻繁に使う人と比べ、敬語を使う人は…」など考えていけば、表現したいことがいつくか出てくるだろう。
そして、ぜひ、二作目に、…例えば、
「入学当初、部活の先輩に使う敬語はどこかうわべだけで胡散臭かった」「でもいつの間にかそれが自然になり、尊敬の念につながっていった」「これがひょっとして『形から入る』ということなのだろうか。だとすれば、敬語と言うのは社会生活の潤滑油になっている可能性がある」「私はこの先も『敬語』を使うだろう。だから『敬語』は必要だと考える」
というような「勝負作」に仕上げてみて欲しい。
どの教科であっても、ぎりぎり枠を外さない程度(〇がもらえるように)に攻めるときが一番「興奮」するものだ。
ところで、「話す」という単語が出てくると、「say/tell/speak/talk」などに触れないと、『ダメな英語講師』だと思われがちだ。「speak」が出てきたので、ほんのちょっとだけ寄り道しておく。「話す」と言うタイプの動詞は多すぎて、一つの回で説明しきれるようなものではない。それだけで、とんでもない量になる「put」「ask」「mention」「insist」「express」「declare」…なので、ここでは、中1・中2の「検定教科書」でよく見かける「speak」の使い方に限定して説明したい。
「He speaks Japanese. S(He 彼は) V(speaks 話す) O(Japanese 日本語を)」がおそらく中1生が知っている、他動詞の、最もスタンダードな形だろう。「speak 言語」で「その言語を話す、話せる」。「彼は英語と日本語を両方話す」であれば、「He speaks both English and Japanese.」だ。
では、「彼女は二か国以上話せる」はどうか。最も多い間違いは、「She speaks more than two languages.」だ。これでは、「二か国語以上」と言う意味にはならない。「more than」は「>」の意味なのだ。日本語で訳されている「以上」という意味ではない。「より多くの」と言う意味だ。「more than」に「≧」の意味はない。この解答では、「彼女が話せるのはmare than>2か国語」、つまり、「彼女は(少なくとも)3か国語以上話せる」ということになってしまう。正解は「She speaks more than one language.」。
他には「speak」で頻繁に中学生の教科書に出てくる使い方として「speak to 人(~に向かって声をかける→話す・話しかける)」「speak with 人(人と話す)」「speak about 話題・話題になっている人」がある。「She spoke to me. 彼女は私に話しかけた。」「She spoke with me. 彼女は私と話した。」「Let’s speak about this plan. この計画について話そう。」などがある。「似たような形で使える動詞にtalk」がある。同じ「話す」でも、友人に何か相談事や打ち明け話をする際や打ち解けて会話をする場合は、「talk」を使う。「speak」の名詞形が「speech(スピーチ・演説)」「speaker(話す人・演説者)」であることを考えると単語のイメージが湧きやすいかもしれない。僕は、どちらかというと、「speak」は、話す側が「イイタイこと」があって「話す」「話しかける」というイメージが強い。
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