通っている塾の「夏期講習」を最大限に活かすために

2024年6月17日

1.「夏期講習直前」、東京都の中3受験生は、残された「二学期定期テスト」二回で、「内申」を上げるチャンスはどの位あるのか?

★今日は、2022年7月13日だ。東京都の中3受験生は、都立高校、私立高校に提出される「内申」が決まるまで、後2回しか、定期テストがない。

 近くの中学校では、様々な事情で、数年前から、定期テスト実施は年間4回の中学校が増え、一番「点数」が伸ばしやすい「一学期の定期テスト」はすでに終わっている。「一学期定期テスト」または「定期テストⅠ」は、、中1・中2の範囲の復習が入っていたとしても、「テスト範囲」が狭く、まだ、中3で習っている「単元」を中心とした出題であり、毎年、中3生はここで「高得点」を取れば、「内申」アップの可能性が高い「定期テスト」だったことは間違いない。

 東京都の入試の時に高校に提出される「内申」は、保護者の方や生徒の皆さんもご存じの通り、中3生の2学期ものだ。

 10年前は、夏期講習からが勝負、「内申一発勝負だ」とも言われ、「中3の二学期だけがんばればよい」と考えている保護者や生徒たちが多かったが、最近では事情がかなり違ってきた。

★最近の中学校の「評価」の仕方は、「中2の学年末」からの「定期テスト」や「ふり返りテスト」、「授業態度」など、中2の終わりから「中3二学期」までの流れを追って「全体的な視点」で最終の「内申」を決めているような中学校も少なくなく、「中3の二学期だけ頑張ればよい」という考えはかなり危険になってきている。

――もちろん、「一学期定期テスト」で目標点に達した生徒のキミは、ぜひ、「本気」で勉強に取り組み、勢いをそのまま保って「成績」を伸ばして欲しい――

★「内申」を「全体的な流れ」を見て決定するという、中学校の方針が変化する中、数年前、「竹立塾」でも、中3の「一学期定期テスト」で走り出し、中3の一学期二学期だけで、内申を一気に「8」上げた、Mさんという生徒がいる。

 彼女は中2の「学年末」の時点での「内申」はほぼ「オール3」。「暗記」ものは得意で、「社会」は得意だが、「国数英理」の4教科は、塾での授業に頼っている状況で、授業時間も足りず、中2の段階では、なかなか成績が伸びなかった。テスト前は、学校のワークやプリントに時間を取られ、なかなか「時間内で解く」ような力をつけることができなかった

 当時「竹立塾」は「塾長1対生徒1」の完全個別指導のスタイルをとっていて(2021年3月教室閉鎖、板橋区に届けを出し、現在は北海道で療養中)、「英語」「数学」の他、他教科に関しても、授業内や空いた時間で対応するスタイルを取っていた。当然、個別の宿命である学校の宿題も見ていたため、それを踏まえて年間の計画を立てていた。

 Mさんが「教え方が分かりやすいし、5教科何でも見てもらえる。家からもそこそこ近いし、お姉ちゃんも通っているから」という気持ちから「本気モード」に変わったのは「中3の春期講習」前。ここでは詳しく書かないが、春期講習の直前に、保護者には伝えず、まず、本人と「この先、どうするか」について本音をぶつけた。

くれる他の塾に通ってもらった方が良い」という「覚悟」を持って話した。彼女はしっかりと話を聞いてくれた。そして、その次の授業から「本気」で勉強に取り組んでくれたのだ。

 国語の教科書の内容をとらえながら一緒に「音読」し問題に取り組む(お子さんと一緒に交代で読んでいただければわかるが、なかなかスラスラ読める子はいないのが実情)、数学の宿題はある程度まで複雑な計算問題も自分でこなし、「自分ができない」問題だけを塾で質問するようになった。英語の教科書の「1P1分以内」の音読も真剣に挑戦するようになり、「並べかえ」も

 本人の実力を「この塾」で伸ばせないのであれば「どこか成績を伸ばしてくれる他の塾に通ってもらった方が良い」という「覚悟」を持って話した。彼女はしっかりと話を聞いてくれた。そして、その次の授業から「本気」で勉強に取り組んでくれたのだ。

 国語の教科書の内容をとらえながら一緒に「音読」し問題に取り組む(お子さんと一緒に交代で読んでいただければわかるが、なかなかスラスラ読める子はいないのが実情)、数学の宿題はある程度まで複雑な計算問題も自分でこなし、「自分ができない」問題だけを塾で質問するようになった。英語の教科書の「1P1分以内」の音読も真剣に挑戦するようになり、「並べかえ」も今までとは見違えるようにできるようになった…。

 中3生の一学期の「内申」が出たとき、僕は、Mさんに言葉をかけた。たった週2回90分の授業と家での勉強とで成績を伸ばしてきたのだ。まさに「竹立塾」の「嫌なこと、嫌いなことは真剣に先にやってしまおう。そして、好きなことをする時間を作る」という考え方を体現してくれた生徒だ。その彼女にこう伝えた。「450点とは言わない。5教科定期テストで3回400点以上取り続ければ本物だよ」と。

「本気」になった彼女は、中3の「一学期定期テスト」でいきなりエンジン全開、その後のテストでも勢いを落とさず、苦手な実技教科の「音楽」まで成績を伸ばし、内申を「8」上げて、第一志望校に名前が挙がっていた「都立高校」の推薦合格を果たした。その後、彼女は高3生まで「竹立塾」で勉強をし続け、高校の「平均評定」でも「4」以上を取り、大学に推薦で合格を決めたのだ。

 塾に来たからと言って「勉強が好きになる子」は実際には少ない。「期待」を持って塾に来ていただけるのはありがたいが、「興味のないものにはすぐ飽きる」「自分が大切だと思うところしか話を聞かない」「よく遅刻する」「宿題をやってこない」という、授業中、できれば講師が、注意して時間を取られたくない「クセ」は直すのに時間がかかることも知っておいていただきたい。「先生が声をかけていただければ、ウチの子、勉強すると思うんですよ」と言われ、心の中で、「えっ、何回も声もかけたし、注意もしてるんですけど…」と思っている講師は少なくないはずだ。

★ さて、話を戻そう。もちろん、「一学期定期テスト」で「350点」なり「400点」なり、自分の決めた目標点を達成できている場合は、勢いに乗ったまま、この夏「夏期講習」受講して実力を伸ばしていただいてOKだ。

★ 逆に、「一学期定期テスト」で思った通りの点数が取れなかった生徒たちにとって、「テスト結果」で「内申」を上げるチャンスは、後二回しか残されていないということになる。

「だいじょうぶ、『夏期講習』はほぼ毎日塾に行くんだ、絶対に成績が上がる」、という「神話」を信じて夏を過ごす生徒は多い。しかし、夏期講習のテキストが自分の得意教科を伸ばし、弱点をカバーしてくれる構成になっているとは限らない。「夏期講習」の宿題を、記号や漢字・できる計算問題だけ埋めたり、友人に見せてもらったり、今までと変わらない形で授業を受けているようでは実力アップは厳しい。

 講師は授業中だけ生徒と「対話」をしているわけではない。「宿題」は、講師が授業の後に、これだけは「できて欲しい」「次の授業のためにやってきて欲しい」と思いを込めたメッセージなのだ。

 夏からは、今までとは違う、何となく「勉強する雰囲気」が塾内でもただよう。毎日の勉強時間も長く、授業に出て「勉強したような気分」になってしまう生徒たちは多い。自習室で騒ぐ生徒たちも中にはいる。「監視役」の講師がいなければ勉強できない状態で果たして「力がつく生徒」は何人いるだろうか。

 さて、お子さんが通われている塾でも、三者面談がすみ、個別にいろいろと話は聞かれている、と思うので、おそらく、そこで伝えられていない内容にに少し触れておきたい。

2.二学期の「定期テスト」に向けて、「夏期講習前」に、3つ、知っておかなければならないことがある

 一つ目は、次の「二学期」一発目の「定期テストⅡまたは二学期中間テスト」、つまり次の定期テストで、ほぼ「内申」が決まってしまう、ということだ。

 つまり、今考えている『第一志望校を受けられるかどうか』が、ほぼこの時点で決まってしまうという事実をしっかりと分かって勉強を進めて欲しい、ということだ。12月の「志望校決定」の「最終面談」を待たずに「第一志望校」をあきらめなければならいような「悲劇」を招かないためにも、「定期テストⅡまたは二学期中間テスト」で「高得点」を目指し、二学期定期テストⅢまたは二学期期末テスト」で「得意教科はさらに得点を上げ」「苦手教科はなるべく点数を維持し落とさないように」する必要がある

 実際に内申「3」を「4」に上げるためには、少なくとも、この2つのテストで2回連続「8割」以上、内申「4」を「5」に上げるには2回連続最低「90点」以上の点数を取る、それが理想的だ。2回合計「160点」を取る場合、1回目のテスト結果が「60点未満」であれば次は「100点」以上が必要となり、計算上は「点数だけ」で「内申」を上げることは不可能になる。

 僕だったら、もし「夏期講習前」、「都立高校」第一志望の娘がいて、「夏期講習前」前の塾の「面談」で、今までの「定期テスト」の点数結果も聞かずに、面談で「だいじょうぶ、だいじょうぶ、頑張りましょうね~。夏で変わった生徒、ウチ、たくさんいますから」などと言うような講師のいる塾には絶対に行かせない。

 話はそれてしまった…繰り返しになるが、「内申を上げたい」場合、次の二学期の一発目の「定期テストⅡまたは中間テスト」での「高得点」が「キー」となる。これはぜひ、覚えておいて欲しい。

 最近の生徒は何かというとすぐ「推薦」「推薦」と言い出す。もし、「推薦」で都立高校に合格したいのであれば、まず、「2」を通知表から消すこと。「都立中位校」を狙うなら、「3」よりもなるべく「4」を多く「get」すること。「上位校」ならなるべく「オール5」に近づけることが「合格への近道」だ。

★二つ目は、「定期テストⅢまたは二学期期末テスト」は、点数が非常に「取りにくい」テストだ、ということだ。問題量が多くなり、復習問題を含め、より都立入試に準じた出題形式や問題配置になる。この『点数がより取りにくくなるテスト』、これにどう対処するか、がより重要になる。ここで「満点」を取れば少し見える状況もかわる可能性もあるが、「定期テストⅡまたは中間テスト」で失敗していた場合、このテスト一発で、内申「3」から「4」、「4」から「5」、内申「2」を一気に「4」に、などという「夢」をかなえることは難しい、のが現実だ

★三つ目は、「夏期講習」は、補習塾でない限り、次の「直接の内申対策(定期テスト対策)」にはなりにくい、ということだ。「塾」でこの夏、勉強しているから「二学期の定期テストもバッチリだ」なんて思っている生徒も多いと思うが、ちょっと待って欲しい。

 ここで問題にしたいのが中学校の「夏の宿題」。「税の作文」をはじめ、「作文」「レポート」系の宿題を気にする生徒も多いが、中学校によっては、「英語」「数学」「社会」の「夏の宿題」で出された何問かが「定期テストⅡ、または中間テスト」に出題されるケースが多い。この宿題、いい加減に「答え」だけ書いて提出すると、ひどいことになる恐れがある。

 例えば、英語の「語順トレーニング」が宿題に出されていた場合。中学校によっては提出が早い(夏休み前の)場合もあるようだ。この冊子を解くときに、やってはいけないこと、それは、絶対に答えを写してはいけないと言うことだ。「いやいや、ちゃんと文を書くんだからいいでしょ、先生」という声が聞こえてきそうだが、考えて組み立てたときに、「あやしい文」「間違えた文」こそが弱点なのであり、そこがねらわれる「文が書けてなんぼ」のテストでは、「並べかえ」や「英作文」の練習がものを言う。例えば、定期テストで「現在完了」ができても「現在完了進行形」が分からなくて泣いた人も多かったと思う。なんぼ「惜しかった」と言ってもテスト本番では「×」は「×」だ。写してしまえば、自分が「どこを間違えるのか」気づくチャンスを失う。

 近くの中学校の「地理」の宿題では、「都立の過去問に出題された」タイプの「文内容」から「国名」「都道府県名」を当てるというプリントが出されている。個人的には、夏の段階では、もう少し具体的な特徴(鉱物や山脈名・港・気候区分・首都名など)で判断させた方が良いのではないか、せめて「地図」上で国の位置を確認させるようにした方が良いのではないか、とは思うが、それでも、この問題を「選択肢なし」で国を当てるのは生徒にとって結構勉強になると思う。適当に「国名」や都道府県名を書いてしまうと勉強にならないので、調べてから書く必要がある。

 余談になるが、塾の講師で「地理」が得意、という先生は、なかなかいない。大学受験の時にたいてい「日本史」「世界史」と「倫理」「現社」などを組み合わせる人の割合の方が多いからなのか、それとも、地理選択者が塾講師という仕事を嫌いなのか…。ぜひ、だれか調べてみて欲しい。

 現在「2」や「3」の「内申」を持っている人は自分がその教科、「苦手」で点数が平均点を割っている状「2」や「3」なのか、あるいは「3」や「4」を狙えそうな「2」や「3」なのか、きちんと自分の現在地を把握すべきだ。また、現在「英語」が「4」の人は、「5」を狙えるのか、どうかを考えて二学期のテストを攻める必要がある。

 例えば、「数学」が「3」の場合、試験前、過去問を解いて見たら時間内に「60点」しかどうしても取れない。もし、実際の定期テストの平均点が「50点台」であれば、「4」に上げるのはちょっと難しい。英語の場合も、中学校によっては「100点」の生徒が何人もいる場合、「100点」を一回取ったぐらいでは「5」に上がらないケースもある

 だとすれば、他の教科や、実技教科で「内申」を上げるという選択肢も考える必要が出てくる。もちろん、「夏期講習」では「英語」「数学」をはじめ、「入試」のためにも、各教科、真剣に取り組むという前提のもとで、だ。高校に行っても「英数国理社」は勉強することになる。

 以上、中3二学期の「内申」のみを考えた場合塾の「夏期講習のテキスト」や「授業」がお子さんに最適とは言い難い面もある。英語は「間接疑問文」「分詞」「関係代名詞」までの予習を含む、数学は、「二次関数」「円」「三平方」などの予習を含む「単元別の内容」中心のテキストが多い。一応、復習と二学期の予習までの範囲ではあるが、どの位できるようになっているか、次の「定期テスト」に対応できるかは、本人の勉強の姿勢にかかっている部分もある。実際、夏期講習の「テキスト」を半分以上解き(全部講習テキストを消化する塾は稀である)、講習後、8月・9月の「Vもぎ」に挑戦する生徒は多い、という意味ではやはり「内申」よりも「入試」に重心を置いた「講習」と意味合いが強いと言えるだろう。中学校によっては、昨年度の「過去問」を生徒に配布してくれる。そういう学校は少ないし、教科によってはもらえない場合もある。手に入るのであれば、どれ位解けるか挑戦してみて欲しい。少なくとも「社会」「理科」以外は、テスト範囲の勉強は「夏期講習」でも勉強した内容のはずだ。

 以上のことをふまえ、二学期の定期テストに向け、どんな準備をしたらよいだろうか。

3.夏期講習前~夏期講習の間、次の「定期テスト」に向けて自分で何をすべきか?

※ここからは、「ちょっと生徒に相談され、アドバイスする調」で書いていく。そういう感じで読んでいただければ、と思う。

★明日から「夏期講習」だ。がんばらなくちゃ、と思っているキミ(結構、初日は気合が入っている生徒は実際多い)が今、困ってることってなんだろうか?

 それは、例えば、
・「国語」の「文章が読めない」こと、
・「数学」のちょっと複雑な計算を間違う、または遅いこと、
・「地理・歴史」の暗記がうまくできないこと、
・「理科」の「計算問題」や「天体」「運動」のしくみや「化学式・化学反応式」が全然わからないこと
・「英語」が「読めない・書けない・単語が覚えられない」こと

 じゃないだろうか?

 夏期講習前に絶望的なことを言って申し訳ないけれどこれって、いきなり「夏期講習」でできるようにならないよね

 その上、「夏期講習」では、その教科がデキる人も、苦手な人も同じクラスで同じ先生の授業を受けているんだよ…それに、塾の授業は確かに二学期の「単元の予習」にもなってはいるけれど、どちらかというと、「定期テスト」ではなく「入試」に向けて「必要なこと」を学ぶというのが、「夏期講習」の大きな狙いになっていることが多い。

 国語が得意で数学が苦手な人も、「英語」が苦手な人も、レベル別の「クラス分け」で同じ教室で受講する。英語「4」数学「3」国語「4」で、本人が「数学はもう少しゆっくり学びたい」と思っても、塾の先生方に「志望校のこともあるし、少し上のクラスで頑張ってみよう」と言われてしまえば、そのクラスで受ける形になってしまうことが多い。

 一方、個別で「先生1:生徒2」であっても、同学年、同じ科目の方が教えやすいからと、「同じテキスト」を使って授業をされると、片方の生徒に構っている間、「演習」しているもう一人の生徒が分からなくて手を動かしていない、あるいは、得意教科ですぐに演習を終えてしまい先生の丸付けを待っている場合が多い。となりでは、一題の問題に20分以上てこずっている生徒、自分はすぐに演習を終えて、先生も大変だな~なんて思ってる…こんな密度の低い「個別」の授業じゃ、親やキミが考えているような「劇的な成績アップ」は期待できないし、お父さん、お母さんは、高い受講料を払って、半分は損している、って感覚になっちゃうよね。僕は「個別の主任」も経験したことがあるので、大学生の講師の「模擬授業」を「研修」したこともあるし、自分でも実際に個別の授業を受け持ったこともあるし、大学生の講師の前で「模範授業」もした経験がある。研修のときに「もう一人の生徒は今、何をしているの?」と聞くと、「えっ、今問題解いてます」…なんて間のぬけた答えが返ってくる。僕が研修していた塾では、今日は「MくんとSくん」の授業というように生徒をちゃんと決めて「模擬授業」をしてもらっていた。だったら、「模擬授業」であっても、その生徒がどこで手が止まってしまうか事前に考え、どのタイミングでどんなヒントや声掛けをするかぐらい考えておかないと講師としてはマズいよね。で、僕がその後、「僕ならこうするよ」と言って授業をすると、「そんなやり方あったんですか、先に教えといてくださいよ、ずるい」なんて言いだす。もちろん、どうやったかはここでは書かないけどね。講師は講師で自分の授業は自分で考えて工夫しないと、だよね。

 よく、3月ごろ、スーパーなどで、お母さんたちの立ち話を耳にはさむ…「…ウチの子もさ~、友達が行くって言うから、塾の夏期講習に行かせたのよ~。結局、成績上がらなくて…高かったのよ」と。クラス全員が「同じテキスト」で同じ講義、同じ「映像授業」を受ける。「本気」で受講しないと、場合によっては、志望校と実力の差がますます開いてしまう恐れもあるのが「夏期講習」だ。

 確かに、連続で1週間に数日間、勉強する効果はある。でも、友だちも同じ時間だけ勉強をしている

 講習では二学期の「単元」の予習、つまり「新しい勉強」も増える。分からないことが、少しずつたまってくると、いつの間にか「1か月」でそれが『とんでもない量』になっていることが多いんだよ。なんせ「夏期講習」は1カ月以上の期間がある。それが溜まっちゃうと「自分で解ける問題が増えない」のは目に見えている。

★じゃあ、本気で苦手な「教科」を何とかしたい、と思ってる人はどうしたらいいと思う?

 実際、定期テストの時に、「時間がなくて解けなかった」と言う場合、「5教科」に関しては「文章が読めない」などの上の項目が当てはまることが多いんだ。
 つまり、「基礎力」が足りてないと「応用力」がついてこないんだ。「定期テスト」で「狙いをつけた」難しい問題を一題、時間をかけて解けたとしても、皆ができる基本問題を取りこばしちゃ、「点数」は出ない「時間で何問解くか」という感覚がないと「定期テスト」では成績が上がらないんだ。しかも、「正確」に「速く」「解答を書く」ところまでやらなきゃいけない。

 国語や英語の「音読なんて」、数学の「計算問題なんて」、社会・理科の「一問一答なんて」…。でも、自分が「…なんて」って思っている「レベル」のところで実際には困っている。その現実をもう一度見直してみよう。

 もちろん、東京都の「入試問題」をこの夏、塾や家で解いてみることも大切だ。でも、毎年、入試前になると、こんな生徒が出現するんだ。「ウチ、去年の英語90点取れたよ」って。実際に「Vもぎ」を受けたら「30点」「おかしいな~」って。そりゃあ、苦手教科でも、「記号や答えを丸暗記」しちゃえば、3回目には「90点」取れることもあるよね。

「答えを暗記するぐらい勉強した」と「答えを丸暗記する」のは全く別の問題だ。

「答えを丸暗記」しちゃうタイプの生徒は、問題の「数字」を入れ変えられたり、文をちょっと変えたりしただけで手が動かなくなる。問いが「なぜですか」から「~とはどういうことか」に変わっただけで、「穴埋め」や「選択」の問題が、「記述」や「並べかえ」「英作文」になっただけで頭が「分からない」状態になっちゃうんだな。

 大切なのは、国語、英語なら「読み」「書き」ができること、数学・理科なら「公式や実験の内容・結果を理解して問題で使えること」、「社会」なら、「地図」や「年表」「図表」を見て、自分で内容を素早く説明できること。

★最後に…今回は、「国数英」を中心に、塾の「夏期講習」と合わせて、7月夏期講習前、夏期講習中に次の定期テストで「内申」を上げるために「自分」でしておいて欲しいことを僕なりに説明していくね。

まずは「国語」。「教科書の音読」に挑戦して、ちょっとだけ気になる「本文」を写してみよう…「読解」は「塾」や「塾」の宿題でも勉強できる。

 中3の教科書の「握手」って、多分、一学期の「テスト範囲」だった人多いよね。最初から最後まで「何分」で一気に音読できるかな。最後まで読み通すことが大切だよ。3年前、夏目漱石の「こころ」という「本」が高校生の夏の課題になっていて、1日「何段落」って決めて交互に一緒に音読したんだよ。読破した後の二学期の「定期テスト」は、その子、結構いい点数だったんだ。もちろん、最低限の解説はしながら読んだよ。でも、テスト前、「過去問」や「練習問題」はやらなかったんだ。「内容が分かっている」だけでも随分ちがうんだよ。

 おそらく、「握手」を読みながら、キミは、「読めると思っていたけど、読めない漢字」の発見をし、授業で習った「3つの握手」の意味なんかを思い出しながら読むことになる。読み終わったら、「握手」の中で、自分が好きな「文」「ベスト5」を選んで、ノートに写そう。で、どうしてその文が好きなのか理由も書いておこう。説明的な文章の方は、「間の文化」が今回のテスト範囲だった人もいるはずだ。音読後、「日本人の間」について、自分が気になった文「ベスト5」を書き出して、筆者の考えと自分の考えを書き、違いを比べてみよう。文章を読む「練習」、「漢字」の練習だけでなく、作者や筆者の「文体」にも触れることができ、自分で文章に対して「考えてみる」こともできるよ。「相手のイイタイコト(伝えたいこと)もわからないのに、『批判的に読めるわけがない』よね」。僕は、実は、高校の時、「現代文」や「古文」の定期テスト前、一度も点数のことを心配したことがない。教科書の本文を予習の段階で見開きのノートに「全文」書いていたからね。後は授業中、先生の板書やポイントをノートの余白に書けばOK。本文を写したおかげで、「漢字」の練習にもなるし、「接続詞」の問題にも自然に強くなる、作者や筆者の文体にも触れることができる。「書く」のを速くする練習にもなるので、書くことが好きな人は、一度ぜひやってみてね。

次は「数学」「計算はウチ、できるよ」って思っているキミ。それって本当かな?塾の先生が「あの子、計算はできるね」という場合、内申「5」や「4」の生徒がてこずる問題や「勘違い」する問題をのぞいて、計算問題のパートがほぼ「満点」のことを言うんだよ。

 キミは、今回の一学期定期テスト、「正負の数」「文字式」「方程式」「展開公式」「因数分解」「ルート」の計算は「満点」だったかな?「複雑な展開」や「文字に置き換える因数分解」「分母の有利化を含むルートの計算」は次の定期テストでも狙われる。学校や塾の「小テスト」のときは「満点」でも、「定期テスト」では点数が取れなかった人、多いんじゃないかな?

「小テスト」や「学校のワーク」と実際の「定期テスト」の大きな違いは何か分かる? 「定期テスト」も「小テスト」も「時間内で全部解き終わらなきゃ」いけないってことは共通だね。「ワーク」は家でするなら時間が許す限り勉強できるでも、普通は、分からない問題は飛ばして「答え」を書く人が多いよね。ワークは「難しい問題はやらなくていいし」「答えを写す」こともできる

 二学期の「定期テスト」ともなれば、「計算」だけでも、かなりの「正確性」と「スピード」が要求される。さらに、「小テスト」と違って「定期テスト」では、「小テスト」のように「各単元」またはある程度「単元がしぼられて」出題されるわけではないよね。また、「ワーク」とは違って似たような解き方の問題が1Pズラッと並んでいる」わけでもない。

 二学期定期テストでは、実際に計算問題として、「正負の数」「文字式」「展開」「因数分解」「ルートの計算」そして「方程式」が出題される中学校が多い。時間をかけずに、正確に解かなきゃ、後ろの問題を考える時間がなくなるよ。

 だから、「夏期講習前、夏期講習の間」に、本物の「計算力」をつけておくことが大切なんだ。毎日、「正負の数」「文字式」「方程式」「展開」「因数分解」「ルートの計算」を教科書の「章末問題」や「巻末の問題」から二題ずつランダムで選び、ノートやいらない紙に書いて、10題をまずは「5分~8分」で解く練習をしよう。答え合わせをし、間違えた問題は必ず直して、時間内に解けるようにしよう。この練習をしておけば、都立の計算問題も素早くできるようになるよ。ちなみに僕が「夏休み前」「夏休み中」によく宿題に出す「数学のプリント」は、二学期定期テストで出題されるタイプの計算・一行問題。今から解けるように準備しておけば安心だよね。参考に一枚だけ下に載せておくね。

 分からない問題があれば、学校の先生、塾の先生に教えてもらってね。「解答」をつけると「解説」もしたくなっちゃう、そうするとかなり長くなるので、今回はやめておきます。「教え方」や「言い回し」「説明の手順」は先生によって違うからね。キミが慣れた先生に教えてもらった方がいいと思う。※手もとの中学校の「過去問」を参考に「数字」や一部内容を「変えて」作成しました。

最後に英語。中3の教科書の「1P1分音読」に挑戦し、今までの定期テストの文法問題の総復習をしよう。まずは、「中3教科書」の「本文の音読」だ。「読まない」から「読めない」のか、本当に「何も読めないのか」から確認しよう。「一緒に音読してくれる人がいない?」先生にお願いできなきゃ、友達でキミよりは「音読」できる人に読んでもらえばいい。できれば、友達と一緒に、時間を計りながら、楽しんで「音読」しよう。その後は、読んだ範囲で「読めるのに書けない単語を友達と出し合って書けるようにしたり、一人が本文の日本語を一文一文言って、それを友達が英語で言ったり、というような勉強をしてみたらどうかな。「一分音読」は、前の塾でも人気があって、休み時間に2人で組になって、笑いながらやっている生徒がいたよ(300人程度の結構大きな教室だったよ)。塾で「長文」の授業が始まる前に「音読」をして、少し長い文を読む準備をしておこう。

 もう一つ、英語が苦手な人におススメなのは、「中1の7月の定期テスト」から「中2定期テストⅣまたは中2学年末テスト」までの「単語・文法・並べかえ・英作」の問題を復習することだ。そこで、間違えた問題がキミの「弱点」だ。「えっ、中1の一学期の問題で、さすがにそれはないっしょ」というキミ、中1の7月の定期テスト、「一般動詞」の「三単現」、「be動詞と一般動詞の区別」や「be 動詞・一般動詞の否定文・疑問文の作り方」、「火曜日」「木曜日」「土曜日」「14」と「40」などの単語が出ているぞ。本当に全部できるかな?

 中1~中2の定期テスト、「単語」や「文法」「並べかえ・英作」の問題を全部やっても「2週間程度」で終わるよね。家にあれば、ぜひ、解き直して見て欲しい。「読めない単語」は「読めて書けるように」、「書けない文」は「読めて書けるように」、特に「並べかえ」の問題は絶好の復習になる。家に定期テストの問題がない場合は、塾や学校の先生にお願いして、プリントをもらってね。一回自分が習った「教科書」に沿った内容の方がいいよ。「夏期講習前、夏期講習前半」には、ぴったりの内容だと思うよ。

 「会話」「会話」っていうけれど、実際に英語が話せる人が使っている「ルール」も分からずに「丸暗記」だけでいこうとすれば、覚える文がいっぱいになって頭がパンクしちゃうし、そうそう長い文なんていくつも覚えられないよね。ちなみに僕の生徒が使っている中1・中2の復習プリントはこんなプリントだよ。下に載せてお行くね。

※手もとの中学校の「過去問」を参考に「単語」「主語」「動詞」「時制」「問題内容」を一部「変えて」作成しました。

※英語も数学と同様の理由で今回は解答はつけていません。「できなかった」問題は、自分の質問のしやすい先生に聞いて、そこを「鍛えるプリント」をもらってね。

 まとめ:

【夏期講習前、夏期講習中に自分で「内申」を上げるためにすべきこと 英数国】

  国語:長い文章を読むことに慣れる…教科書の音読+読めない漢字の練習と自分の中のBest5の文選び

  数学:二学期定期テストで出題されるタイプの計算の徹底演習…「定期テスト用」の問題を自分で選んで時間を決めて演習

  英語:中3教科書の「1P1分音読」に挑戦、今までの定期テストの「単語・文法・並べかえ・英作」問題の総復習

【二学期の定期テストへの意識をしっかり持つこと】

 二学期の最初の定期テスト「定期テストⅡまたは中間テスト」で「内申」はほぼ決まってしまう。そこに照準を合わせながら、入試問題にも挑戦できる「夏」にしよう。

いよいよ夏期講習が始まるね。自分を変える「夏」、ぜひ、実現してね。