日記 三十五の巻

12月 第4週月曜 どこまでも続くスケートリンクの中を冬靴で滑りながらコンビニに向かう+2℃なのに激寒の午後

▶朝9時、母と散歩にでようとしたが、一歩外に足を踏み出した途端、あまりのヤバさに足がすくんだ。

・冗談抜きに、目の前には銀盤の世界が広がっている。どれぐらいヤバいか説明すると、スケートをしたことのない人が、初めてスケートリンクで滑るとき以上だ。いったん、ツルツルしてしゃがんでしまうと立てない、あるいは、奇妙なダンス踊りながら、恐ろしい恰好で転んでしまう、あれだ。

・何せ、ガタガタになっている状態そのまま凍ってしまっているのだ。路面は、もはや、雪ではなく、完全に芸術的に段差のあるスケートリンクだ、色も青い。転べば、血が出るし、打ち所が悪ければ骨折する危険を伴う。

・いつもの自販機で、母が、立ち往生してしまった(段差を登ろうとして固まった)ため、徒歩でバス停まで前進するのをあきらめた。

・郵便局で書留を出す、銀行で記帳をし支払いや引き落としをする、ちょっと遅すぎる歳暮を贈るなど用事があったため、仕方なしにタクシーを呼んだ。

・途中、運転手から、土曜だか日曜だかの未明に「雨」が降ったためにこうなったと聞く。

・昔、中学校で、グランドを全員で雪ふみをした後、スプリンクラーで水を夜まき。あっという間に「スケートリンク」が完成したことを思い出した。

・なるほど、重くて、固まっている根雪の上に、眠っている間に空からシャワー、確かに、朝にはどこもかしこもスケートリンクでおかしくない。

▶自分の地域には「A銀行」がない。一番近い支店は「札幌」だ。戻ってきたときから、さてどうしたものか、と困っていた。まあ、残高は、PCで見られるし、数が月分の入出金も確認できる。他行から振り込むことはできるが、「引き出し」ができないと悩んでいた。

・今回、「引き落とし」の不足分を「A行」から「他行」に移す必要に迫られ、ちょっと考えた結果、「A銀行」のカードを使って「セブン銀行」で「引き出し」や「入金」が可能なのではないか、と気づいた。東京にいたときは、コンビニでも「A銀行」のカードが使えたと、何となく思い出したのだ。歩いて2分の駅前に「A銀行」があったので、あまりコンビニで「A銀行」の「カード」を使うことはなかったのだ。

▶急ぎの用事だったので、午後、第一ゴムのスパイクがすり減った冬靴を履き、近くのセブンに向かう。行きは、何事もなく過ぎた。幼い頃の、足の裏の感覚、ここは、全体に足を上から乗せて、ここは、スケートで滑るような感覚で、と慎重にコンビニにたどり着いた。

・しかし、案の定、帰り道、事件は起きた。行き帰りに、ちょっとした、除雪していない雪の山を通るのが近道である。その道は、細い、人ひとり通れるような、いわゆる「けもの道」なのだ。

・買い物袋を持ち、片手で缶コーヒーを持ちながら、もう少し、後、6歩ぐらいで抜けられる、と思った瞬間、体のバランスを崩し、目の前の風景が半回転した。突発性難聴を持つ自分には、まるで、ガタガタの平均台の上を歩いているような感覚だった。ぐらっと体が傾き、片足が雪の中に埋まりそのまま転がった。起き上がって体勢を調えるのに30秒程度かかった。歳はとりたくないものだ。雪だらけになった左足を抜き、再び前進する。その先には、道一杯に広がるスケートリンクが待っている…。

▶滑りやすい雪の上や解けた雪の下がアイスバーンになっている場所や、朝のツルツルリンク状態の道を歩くときは、スケートやスキーのバランス感覚が必須だ。慣れている人でも、もちろん転ぶ。

・できれば、転んだ時の着地部分に雪がある(なるべく新しい雪)と、ケガが少なくてすむ。

▶横断歩道の斜めになっている部分も油断すると大変なことになる。わたる直前に足を動かし始める瞬間や信号を待って安心して足の力を抜いた瞬間、足が前にツルっと滑ると、足がそのまま上に持ち上がり、腰の高さからそのままお尻が落下することになる。

▶これから、「クリスマスのイベント」や「正月休み」「雪まつり」「氷祭り」の季節だ。小中高校生にとっては、「冬期講習」「直前特訓」「受験本番」と大切な時期を迎える。

・観光で北海道を訪れる方も、仕事で移動される方も、家族で出かける方も、会場に向かう受験生も、足元には十分気を付けて、ケガだけはしないように過ごしていただけると思う次第である。